不動産担保ローンとは

不動産のイメージ

不動産担保ローン」とは、文字通り建物や土地などの“不動産”を債権者(お金を貸す人)に担保として提供し、お金を借りるという資金調達方法です。

万が一債務不履行に陥っても同不動産の売却金を以て返済することができますので、債権者にとってはデメリットが少ないと言えます。

また、債務者側は返済が滞ると不動産を失うというリスクがありますので、何としてでも対価を支払うという強力な担保となるのです。

担保の意義

もしお金が返せなくなってしまった場合、債権者は大きな損害を被ります。
当然ですが、貸す金額が高額になる程貸す側のリスクが大きくなるため、金額次第では不動産や車等を「担保」として預かるのが一般的です。

なお、担保として預かるのが物であった場合は「物的担保」、保証人や連帯債務者といったように、債務不履行時に代わりに返済する人を用意することを「人的担保」といいます。
借り手が有利すぎるとお金を貸す人がいなくなってしまいますので、このような担保制度によって貸し手を守っているのです。

不動産担保ローンの金利

当然ですが、金利は「回収の見込み」によって大きく変動します。
例えば、カードローンは基本的に無担保で借り入れができるローン商品ですが、金利は高いもので18%辺りという利息制限法の限度額ギリギリに近い水準です。

一方「不動産担保ローン(不動産を担保としてお金を借りる場合)」は最大でも3%台の低金利でお金を借りることができます。
これはカードローンとは異なり、支払い不能になった際に担保として差し押さえた不動産を売却すればお金を回収できるという「返済能力の高さ」が貸し手に評価されることが理由となります。

借入可能な金額

不動産担保ローンの借り入れ可能額は「路線価の70%」程度となるのが一般的です。
路線価とは、相続税算定の際に用いられる算定方法で、文字通り全面道路に付いた価格に土地面積をかけた金額のことです。

詳しい計算方法はこちら(国税庁HP)
https://www.rosenka.nta.go.jp/

なお、固定資産税を算定する際に用いられる金額として「固定資産税評価額」と呼ばれるものがありますが、こちらを利用して計算する方法もあります。

名称 割合
取引価格 100%
固定資産税評価額 取引価格の80%
路線価 取引価格の70%

例えば、販売価格が1000万円の不動産があった場合、固定資産税評価額は800万円程度・路線価は700万円程度となります。

不動産がある市区町村役場から毎年届く納付書に固定資産税評価額が記載されておりますので、こちらの金額を以下の計算式に当て嵌めれば大まかな路線価を出すことが可能です。

(固定資産税評価額÷80%)×70%=路線価

つまり固定資産税評価額が500万円であった場合は「(500万円÷80%)×70%=437万5000円」、借入可能限度額は「437万5000円×70%=306万2500円」という計算になります。

ファクタリングとの違い

ファクタリングで資金調達したお金

ファクタリングは“借り入れ”ではなく“資産売却(未収資産の早期回収)”という位置づけですので、そもそも金利という概念がありません。

その代わりファクタリングは債権の売却時に「手数料」が発生し、額面金額の2~30%ほど(ファクタリング方法や債権の性質によって変動)の金額を支払う必要があります。

また、ファクタリングでは保有する債権額がベースとなりますので、売掛金の額面以上の価値を創出することはできません。

リスクの違い

不動産を担保に入れるだけで多額の資金を借入できる不動産担保ローン。
メリットばかりの資金調達手段に感じますが、返済が不可能になれば「担保に入れた不動産を失う」という大きなリスクがあります。

これは同ローン利用時に設定される「抵当権設定登記」の効力によるもので、万が一返済が出来なかった場合は抵当権の実行により不動産は競売(オークションのようなもの)に掛けられてしまいます。

一方でファクタリングは売掛債権そのものを取引(売却)する資金調達方法ですので、そもそも担保を提供する必要がなく、何かを失うというリスクはありません。

シーンに応じて使い分けを

スピード コスト 特徴
ファクタリング 手数料にムラがある
(方法や債権の性質によって異なる)
不動産担保ローン × 抵当権設定登記が必要
(金利は低いがその他の費用が掛かる)

不動産担保ローンもファクタリングも資金調達の一種として用いられていますが、ファクタリングはスピードに優れている反面でコスト(手数料)が高い、不動産投資ローンはコスト(金利)に優れているがスピードに難があるという特徴が見られます。

ファクタリングと手形取引の違いについて理解する女性

両者共に億単位での借り入れも可能な資金調達手段ですが、高額になればなるほど手数料やコストは変動しますので、より慎重に精査・検討すべきと考えます。
違いをしっかり理解し、上手に使い分けましょう。