運送業でファクタリング需要が高いワケ

トラックヤード

物流は生活に欠かせない存在であり、個人・法人問わず多くの方が日常的に活用しています。日本は特に自給率の低い国であるため、もしも全ての物流が止まったら都心部では食料の調達すら難しい状況になってしまうでしょう。最近はネット通販の普及によって物流業界の売上は上昇傾向にありますが、ドライバーや配送スタッフの給料の安さが問題になっています。何故今、ファクタリングを用いる運送業者が増えているのか、その訳について解説したいと思います。

運送業の利益率

運送業は一部の大手は個人からの都度注文を受け付けていますが、全般的には特定の取引先に対して継続して仕事を請けているケースが多く、中小企業は孫請け・日孫請けという厳しい立場に於かれているのが現状です。また、ガソリン代やオイル代といった燃料費の高騰により利益率の幅が大きく、燃料代を理由にして請負代金を上げる事が難しいという下請け会社の立場上の苦悩もあります。以上の理由から、運送業の下請けは非常に利益率が低くなっています。

連続赤字からの復活

運送業の経営実態を調査報告としてまとめた「平成28年度経営分析報告書(全日本トラック協会発表)」では、日本全国に於けるトラック運送事業者の営業利益率が7年ぶりに黒字(+0.2%)に転じた事を示しており、業界の活性化が期待されています。また、経常利益率は原油価格が最も上昇していた平成25年度の「▲1.2%」に比べ「+0.9%」にまで上昇した事を併せ、黒字事業者の割合も61%にまでアップしました。

【参考】全日本トラック協会「経営分析報告書・平成28年度決算版」
http://www.jta.or.jp/keieikaizen/keiei/keiei_bunseki/keiei_bunseki2016.html

運送業に多い3つの相談パターン

経営難の運送業者

・繁忙期による運営コストの増大
・事故、故障による突発的な出費
・長期支払いサイトの対応

運送業は特定の取引先を持っていても売上は毎月大きく変動し、12月の年末商戦がもっとも忙しくなるのが一般的です。仕事量が増えればその分ガソリン代の負担も大きくなりますし、12月は業界全体で忙しくなるので道路渋滞も増えます。そのため、結果的に従業員への残業代や賃金も高騰してキャッシュフローは一時的に大きく悪化し、請負代金が入金されるまでの間、非常に苦しい経営が続いてしまいます。また、災害に伴う復旧工事・支援物資等の一時的な仕事が増える事もあり、売上やキャッシュの波は非常に大きい業界です。

ファクタリングが人気な理由

あらゆる状況に柔軟に対応できるように資金調達方法を予め確保している運送業者は多いです。その中でも継続・スポット両方に対応している上、スピーディに現金が調達出来るファクタリングを利用する企業が増加している傾向にあります。ファクタリングが運送業にマッチしている理由として、以下の3項目が挙げられます。

入金サイクルを調整出来る

売掛金の入金サイクルが不安定になり易い運送業は2ヶ月(翌々月払い)の長期支払いサイトを持っている場合が多いです。特に大手が元請けになるケースだとそのスパンは更に伸び、キャッシュフローの重要性が益々高くなります。近年は手形取引ではなく3社間ファクタリングを前提にした取引を行う元請業者も増えているようです。

事故等による倒産の回避

事故や故障も運送業では大きな課題になります。もちろん保険によって車両の修理代・事故に遭われた方への見舞金は賄う事が出来ますが、スタッフの確保・調整等により予期せぬ出費が発生する可能性があります。また、中型以上になると通常の自動車保険に入ることはできず、高額な法人保険への加入を求められますので、当該保険料の捻出をするためにファクタリングを利用する企業も多いです。さらに、損害が保険の範囲外(積み荷の保証等)であり、多く思わぬ形で多額の資金が必要になってしまったため、“つなぎ資金”としてファクタリングを活用する事例も見受けられます。

設備投資が高額

10トン(大型)の箱車は新車で買うと2,000万円ほどかかり、代替や修理費用も高額です。また、保管には毎月多額の固定費が掛かる上に、大型トラックのドライバーの育成や募集にも大きなコストが掛かります。事業開始又は拡大の際に多額な資金が掛かりやすい・銀行からの融資が受け辛い(コストが不安定なため)という点で、高額資金調達が可能なファクタリングを選択する会社が増えています

手数料を安く抑えるなら3社間

突発的な出費になると継続利用を前提にする3社間ではなく2社間ファクタリングを活用しないといけませんが、手数料が大幅に上がってしまい、さらなる経営悪化を招く恐れがあります。一般的な業種の場合、“債権譲渡が行われた”と聞くと「経営不振なのでは?」「倒産の恐れがある」と思われてしまう事を懸念し2社間ファクタリングを選択する企業が多いです。一方で、運送業の場合、ファクタリングを用いた資金繰りは既に一般化しているため、予め取引先へ事情を話しておせば大きなトラブルになる可能性が低く、3社間ファクタリングを選択し易い環境が整っています。万が一キャッシュフロー不足に陥ってしまった際には、3社間ファクタリングにて資金改善を図ってみてはいかがでしょうか。