赤字でもファクタリングは可能?

パソコンを見つめる経営者

銀行融資やビジネスローンをご利用の際、各金融機関は、会社の経営状況・借りたお金をどのように遣うのか等を厳しく審査します。
借入は10年以上の長期に及ぶこともあるため、その間に倒産や経営不振によって債務不履行があると、金融機関側は大きな損をしてしまうためです。
特に銀行の審査は厳しく、仮に直近の決算が赤字状態であると回収見込が無いものとみられてしまい、審査に通る可能性が著しく低くなってしまいます。

ファクタリングは経営状況を重視しない

決算報告書とボールぺン

一方で、ファクタリングの審査では利用企業の経営状況はさほど影響しません。
なぜならば、ファクタリングは債権の売買取引であり「どの程度の価値を有しているのか」が重要となるためです。
つまり、銀行融資は会社の成長性や安全性を加味した上で、確実かつ継続して回収出来るかどうかを審査するのに対し、ファクタリングでは当該売掛金がきちんと支払われるのか・債務不履行リスクはどのくらいあるのか等が審査されます。

したがって、売掛先が倒産寸前であったり、普段取引をしておらず期日通りに決済されるかが不明であったりすると審査に通らない恐れがあります。
もちろん、経営状況も審査ポイントの一つであり、著しく経営状況が悪いと判断された場合、引渡しの見込みが薄い・二重譲渡の可能性があるとみて取引を断られてしまう可能性も否定できません。

どのような点が審査される?

また、利用するファクタリングの「方式」によっても審査の内容は異なります。
どのような点を審査されるのか、また2社間と3社間でどのように審査は異なるのかを確認してまいりましょう。

まず、2社間ファクタリングは、利用者が現在有している債権を“債務者の通知や承諾を経ずに”進めるファクタリング取引です。
つまり、売却した売掛金は予定通りファクタリングを利用した企業(旧債権者)に入金されるため、入金を受けた後にファクタリング会社へと引き渡す義務が生じます。

したがって、ファクタリング会社は「(1)債務者の不履行(期日通りに履行するか)」と「(2)ファクタリング利用企業の不履行(約束通り売掛金を引き合わすか)」の2つのリスクを負っているということになります。
以上の理由から、2社間方式では取引先と利用者双方の信用性を審査しなければなりません。
具体的には、どのようなビジネスで生じた売掛金なのか、取引先との取引期間又は取引回数、創業から現在に至るまでの経営等が、利用の可否を分けることになるでしょう。

一方、3社間ファクタリングは“取引先に債権譲渡を通知又は承諾を得た上で”進めるファクタリング取引です。
そのため、ファクタリング利用企業の債務不履行を心配する必要がなく、審査は「取引先の債務不履行リスク」がメインとなります。
また、3社間ファクタリングは債権譲渡を知られてしまっても問題無いというシーンで利用されるため、売掛先が国や地方公共団体であるケースが多いです。
つまり、ファクタリング会社から見て3社間方式は2社間方式よりもリスクの低い取引となり、審査も比較的緩いと言えます。

税金滞納はNGというケースも

先般お伝えしてきた通り、ファクタリングは赤字であっても原則利用が可能です。
一方で、ファクタリング会社の中には「税金に未納があった場合は取引不可」としているケースがあります。(2社間ファクタリングの場合)
これは、税金を滞納すると銀行口座を差し押さえられるリスクがあるためです。
きちんと期日通りに取引先に売掛金が支払われても、即座に差押えを受けてしまってはファクタリング会社に当該売掛金を引き渡せなくなってしまいます。

そのため、一部のファクタリング会社では審査時に納税証明書を求めています。
もちろん全てのファクタリング会社がこのようなフィルターを設けている訳ではありませんので、税金滞納の事実があれば予めお伝えしておく方が賢明です。
問題無く利用できる可能性もありますし、断られてしまった場合は他のファクタリング会社を利用すれば問題ありません。

黒字でも利用不可となる?

経営危機を抱える取引先

赤字でも利用に大きな影響はないということは、裏を返せば「黒字でも断られる可能性がある」ということです。
代表的な例としては、取引先の経営状況が著しく悪いケースが挙げられます。
ファクタリング会社側としても不良債権にお金を出す訳にはまいりませんので、頻繁に入金が遅れている、過去に金融事故を起こしている等は大きなマイナスポイントです。

また、 M&A(合併)又は事業譲渡をしようとしている場合、場合によっては債権放棄をせざるを得なくなる可能性があり、ファクタリング取引が不可と判断される恐れがあります。

意外と多い!書類の不備によるNG

基本的に審査は書類のみで実施され、現地調査や面談は必要ではありません。(ただし、事前面談を必須としているファクタリング会社もあります。)
ファクタリング会社は、少ない書類のみで審査・判断しなければなりませんので、万が一エビデンス資料に不備があった場合取引を断らざるを得なくなってしまいます。

求められる書類はファクタリング会社によって異なりますが、決算報告書や登記簿謄本、納税証明書等を提出するのが一般的です。
なお、新規設立会社は決算期を迎えていないため、決算報告書を用意することができませんが、ファクタリング会社によっては決算報告書無しで進めてくれるケースもあります。
予め書類を準備しておくことはもちろん、万が一用意できない場合はファクタリング会社側にその旨を正直に伝えるなど、できるだけ早めに対処しましょう。

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