士業系事務所とは

法律相談を受ける弁護士

日本では、憲法に於いて「職業選択の自由」が基本的人権として保障されています。
どのような仕事に就くかは本人の自由であり、決して職業で差別されるようなことがあってはなりません。

しかしながら、命や権利に深く関わる仕事を業とする場合、必要な知識及び技術を兼ね備えていなければ逆に他者の身体・財産に危害を加えてしまう恐れがあります。
そのため、特定の職業に就く又はビジネスを営むには一定の要件を満たさねばなりません。
当ページでは、特別法で定められている司法・法律系の8士業についてご紹介すると共に、当該職業に於ける資金調達方法・事業形態についても触れてまいります。>_

士業とは

弁理士登録証

医師や看護師、建築士や宅地建物取引士など、「○○師」あるいは「○○士」と呼ばれる職業は数多く存在しておりますが、これらの職業に就くには特定の資格が必要です。
冒頭でも触れた通り、サービスに対する高度な知識や技術を有していないと利用者の身体や財産に危害が及ぶ恐れがあるためです。

なかでも「弁護士」「司法書士」「行政書士」「土地家屋調査士」「弁理士」「海事代理士」「税理士」「社会保険労務士」は特に人の権利に踏み込む可能性が高く、法律で厳しく規制されています。
これら職業は一般的に「8士業(しぎょう)」と呼ばれ、弁護士であれば訴訟や交渉、税理士であれば税務申告、司法書士であれば登記申請などを代理して行うことが可能です。
いずれも一歩間違えれば身体・財産に大きな影響を及ぼすため、高い理念と知識を兼ね備えていなければなりません。

独立開業が多い業界

弁護士であれば特定企業の顧問弁護士になる、司法書士は不動産会社から定期的に不動産登記の案件を受注する、会計士として企業内の経理や監査を務めるなど、士業の種類や仕事のスタイルによって働き方は様々です。
中でも個人事務所を開業しスタッフを雇う又はフリーランスとして活動するという方が特に多く存在し、今はお勤め中であっても「いずれは独立したい」とお考えの方も多いのではないでしょうか。

さらに、昨今では弁護士法人や司法書士法人などの「士業系事務所の法人化」も増えています。(弁護士の場合は規模を問わず個人事務所として運営しないといけませんでしたが、平成14年の弁護士法改正によって法人化が可能となりました。)
現在では各士業が法人化できるようになり、複数の従業員を雇っている士業系事務所を中心に、法人へと移行するケースが目立つようになりました。

士業が法人化するメリット

士業は原則として「知識」「交渉力」「文書作成能力」等を対価に報酬が発生するため、販売商品等を仕入れる必要が無く、法人化のメリットは一般企業に比べて薄いと考えます。
しかしながら、法人であれば仮に代表者が亡くなってしまった・引退したい等のケースであっても役員を変更することで容易に引継ぎが可能ですし、複数のエリアに拠点を持ちたい場合にも対応できます。(個人の士業系事務所の場合、拠点は1ヶ所だけ)
ファクタリングや融資を受ける場合でも個人事務所よりも法人の方が有利です。

士業系事務所は融資が受け辛い?

銀行融資や公的融資は、貸したお金を“どのように活用するのか”を重要視しています。
使途としては、商品の仕入れ・設備投資・プロジェクトに要する費用などが代表的ですが、士業は資格と身体1つあればできる職業であり、これらの費用がほとんどかかりません。

つまり借入の理由が薄くなってしまい、融資を断られてしまう可能性があるのです。
また、他の資金調達方法として土地や建物を担保にお金を借りる「不動産担保ローン」、車を担保にしてお金を借りる「車担保ローン」等も存在しますが、同様の理由からこれらの財産を保有している事務所は少ないです。
つまり、士業系事務所は資金調達の手段が一般的な企業と比べると少ないと言えます。

ファクタリングは利用できる?

経理を行うスタッフ

法人とのお取引をメインにされている士業系事務所であればファクタリングによる資金調達がマッチします。
例えば、特許事務所であれば法人からの依頼が多数あるかと推察しますし、税理士事務所であれば法人との顧問契約が数十社~数百社あるケースも存在するでしょう。

これら法人との取引に於いて発生した報酬をファクタリング会社に売却し、早期の現金化を図るという資金調達方法があります。
一方で、司法書士や行政書士の場合、依頼者が個人であるケースが多く、報酬がファクタリングに利用できないこともありますので注意が必要です。
もちろん売掛先が法人であればファクタリングは可能ですので、資金調達にお悩みであれば一度利用を検討してみると良いでしょう。

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