銀行融資とは?

オフィス街の銀行

銀行融資とは、文字通り銀行や信用金庫からお金を借りることです。
個人・法人を問わず幅広く対応しており、場合によっては数千万円規模の資金を用立てることも可能な資金調達方法です。
メガバンク(三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行)はもちろん、地元の地方銀行・信用金庫・信用組合なども利用可能ですが、金利や借入期間は各金融機関で異なりますので、企業の状況に合わせてしっかりと選定する必要があります。
なお、融資は法律上「金銭消費貸借契約」にあたり、借主は貸主に対し、毎月決められた額の元金と金利を返済していかねばなりません。

最もメジャーな資金調達

資金調達方法の中でも銀行融資(信用金庫・信用組合・消費者金融等含む)は最もメジャーな資金調達方法であると言え、利用している企業は3割以上にも上るとみられています。
銀行融資はコスト面で優れている(金利が低い)上に長期的な借入が可能なため、より安定した経営を目指すことが可能です。
また、法人のみならず個人で事業を営んでいる方(個人事業主・フリーランス)でも利用が可能という点も大きなメリットと言えます。

一方で、銀行融資は審査が非常に厳しいというデメリットがあります。
銀行融資では返済期間が10年以上に及ぶことも珍しくなく、安定かつ優良な経営状況・返済可能な財務状況が必要不可欠であるためです。
審査内容は企業規模・営むビジネスの内容・経営状況によって様々ですが、一般的には3期分以上の法人税又は所得税の確定申告・最終決算期から半年以上経過している場合には残高試算表・返済スケジュール・事業計画書等の提出が求められます。

どのようなことが審査される?

貸借対照表の資産の部

銀行をはじめとした各金融機関は、提出書類をもとに融資の回収が見込めるか・融資によって会社が成長していけるか(今後のビジネスに発展するか)等を主に審査します。
債務不履行のリスクが低いことはもちろんですが、事業計画がしっかりと立てられているか、見通しは十分になされているかなどは、融資の可否を分ける非常に重要な項目です。
また、審査は数字だけではなく、経営者の人格・経営資質等も判断されます。
融資の申し込みの際は、借り入れたお金の使途・会社の経営状況・今後の展望等をきちんと受け答え出来るようにしておきましょう。

一方、ファクタリングは「債権の信頼性」が最も重要な審査項目です。
具体的には、売掛先が今までに履行を遅滞していないか・履行不能になる恐れが無いか等が細かく審査され、利用企業側の経営状況・財務状況はさほど重視されません。
銀行融資の審査に落ちてしまった場合、ファクタリングによる資金繰りも視野に入れてみてはいかがでしょうか。

銀行融資のリスク

銀行はリスクを最も嫌いますので、不景気が続くと企業の将来性よりも過去の実績を評価するようになり、新規企業・赤字企業はより利用が難しくなってしまいます。
さらに、融資の条件として「不動産や車両・事業用機器・保証人などの担保提供」を提示される場合があります。
この場合、万が一返済が遅れると提供した担保が差し押さえられてしまいますので、事業の継続が困難になる恐れも否定できません。

また、債務不履行があった場合、銀行は貸したお金の全額返済を求めることが可能です。
これが所謂「貸しはがし」と呼ばれるもので、状況によっては返済が滞った企業に対しても行われたり、期限前に返済を迫ったりすることもあります。
ただでさえキャッシュが不足している状態でこのような措置を執られてしまうと、中小企業はひとたまりもありません。
このように、裏切られた際のダメージが致命傷になりかねないため、銀行融資だけに頼らず、様々な資金調達手段を用意しておく必要があります。

問われる貸し手側の責任

モノクロの申込書

1980年後半から1990年前半、日本にはバブル期と呼ばれる好景気が訪れていました。
多くの企業に対して積極的に貸し付けを実施(提案融資という名目)したことで、企業はみるみるうちに成長してゆき、雇用は爆発的に増加・従業員の賃金上昇など、日本中が好景気の空気に包まれたのです。
皆がその空気に酔いしれましたが、1990年代に入り、ついに好景気に陰りが見え始めます。

平均株価は徐々に下降していき、一時40,000円近くにまで上昇した株価は、遂に20,000円台にまで値を下げてしまいました。
地価・住宅価格も下落し、大手金融機関が破綻するなど、日本は好景気から一転して不景気に陥り、多くの企業が倒産する事態となります。

銀行の貸し渋り・貸しはがし

バブル経済の崩壊により、多くの銀行が窮地に立たされます。
経営不振による倒産や履行遅滞にはじまり、担保に取っていた不動産の価格下落・金利の低下などによって、見込んでいた収益が得られないだけではなく、多くの債権が回収不能な不良債権と化してしまいました。
銀行はこれらの不良債権をなんとか回収すべく、積極的に債権を回収しようとします。

少しでも遅れた企業に対して全額返済を求める、期限が到来していない債権なのにも係わらず返済を促すなど、次々と無茶な融資回収を図ったのです。
これによって多くの企業が倒産する事態へと発展し、仮に倒産は免れても、事業に必要な不動産や機材を失ったことで経営継続が困難な事態となってしまいます。
破綻を免れるためとはいえ「景気が良いときは積極的に貸し付けを実施しておきながら、不況になるといち早く回収する。」そんな姿勢には疑問を感じざるを得ません。

ファクタリングという新しい選択肢

銀行融資とファクタリングの主なメリット・デメリットは以下の通りです。

銀行融資 ファクタリング
メリット
  • まとまった金額を調達できる
  • コスト面で優れている
  • スピード面で優れている
  • 財務状況が悪くても利用できる
デメリット 審査が厳しい
担保を求められる場合がある
コストが不安定
取引先に知られる可能性がある

銀行融資は借入(負債の増加)・ファクタリングは債権の売却(資産の減少)であるため、両者の審査項目・メリット又はデメリットは大きく異なります。
ファクタリングは財務状況の影響が比較的少なく、審査に要する時間も銀行融資に比べて短いというメリットがある反面で、コスト面にやや難があります。

また、銀行融資はまとまった金額を調達することが可能ですが、審査が非常に厳しく赤字や税金滞納があるとまず利用することができません。
さらに審査に1か月以上を要することも珍しくはなく、スピード面ではファクタリングの方が優れていると言えるでしょう。

このように両者にはそれぞれ良い所と悪い所があります。
状況に応じて使い分けるのがベターだと考えますので、安定した経営を目指すためにも、ファクタリングを新たな資金調達の選択肢に加えてみてください。

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