新会社法施行で会社設立が簡単に

独立起業したばかりの経営者男性

新会社法が施行され、株式会社を始めとした合同会社、合資会社、合名会社といった営利活動法人の設立がより簡易に行えるようになり、一時小規模事業者が爆発的に増えるという現象が起きました。
しかし、会社を設立してみては良いものの、経営のノウハウが未熟なまま開業してしまった人がほとんどで、経営はすぐに立ち行かなくなり、資金難に陥ってしまいます。

その結果、2009年時点で54万社あった小規模事業者は、2012年時点で51万社まで落ち込んだとの調査結果が経済産業省中業企業庁から発表されています。
現在も会社の設立は盛んですが、一方で廃業する会社も同数程度あるのが事実です。

開業5年で約6割が廃業

国税庁の統計を計算すると、会社は以下の割合で廃業しています。

1年経過後の廃業率 約25%
5年経過後の廃業率 約60%
10年経過後の廃業率 約75%
20年経過後の廃業率 (※)

※資料がありませんが、約85~90%が廃業しているものと考えられています。

会社の解散・清算決了登記(廃業)を行わないまま活動を休止している会社(休眠会社)も相当数あるとみられますので、実質の廃業率はこの数字よりも大きくなるのではないか、と考えます。
上記のデータを見ると、やはり会社設立又は事業開業からの5年間が明暗を分けており、わずか5年で約6割が廃業する、という衝撃的な結果となっています。

まずは資金調達元の確保を

安定的な経営を行うのに、資金調達は欠かせません。
新設法人でも行える資金調達には以下のようなものがあります。

資金調達で合意する業者と経営者

創業融資

日本政策金融公庫の創業融資は、返済期間5~10年と長期な上、無担保で1,500万円まで借入出来るという非常に好条件な制度であり、融資が受けられれば安定性の大幅アップが見込めます。
ただし、金利が2.25~4.00%と若干高く、当然審査も厳しいです。
事業計画書の作成が必須であり、融資限度額が自己資金の2倍までが限度となっており、限度額いっぱいの借入は難しいと言えるでしょう。

ファクタリング

中小企業を中心に頻繁に行われる資金調達として、ファクタリングが挙げられます。
審査が不要なため、即現金が必要な際や、赤字状態での資金調達として有効です。
ただし、ファクタリング取引には売掛金や前払金等(返還があるもの)といった債権が必要となります。

銀行・金融機関(ノンバンク)からの融資

銀行は「貸したお金がきちんと返ってくるのか?」を重点的に審査するため、赤字決算ではまず審査は通らず、長期に亘っての売上が望める企業に対してのみ融資を行う傾向にあります。
ただし、新設法人の場合、その企業の成長性も視野に審査を行います。
貸したお金をどのように使うのか、そのお金によって企業はどのように成長できるのか、どのような売上を推移するのか、等が説明出来れば、融資を受けられる可能性は十分に考えられます。
なお、事業計画書の作成・提出は必須となっています。

新設法人でもファクタリングは可能か?

ファクタリングは審査が無く手軽に行えるため、利用が可能となれば法人の生存率はグンと高まります。
新設法人や新規開設者(個人事業主)でも利用は可能なのか、実際にファクタリング会社へ確認を行いました。

ファクタリング契約に初めて臨む新規事業主男性

【質問】
新設法人でもファクタリング(2社間ファクタリング)の利用は可能ですか?また、可能な場合の条件をお教えください。

A社の回答

設立後3か月を経過していれば利用可能
複数回入金がある取引先の売掛債権を有している事
資金繰り表の作成が必要
売掛先の信用力が高いこと(帝国データバンクによる評点を基準とする)
その他、ホームページ等で信用性を判断

B社の回答

1年以内に設立した会社は利用不可

C社の回答

設立時期は問わない
1~2か月程度で入金がなされる売掛債権を有している事
売掛先の信用力が高いこと(帝国データバンクによる評点が概ね50点以上)

という内容の回答となりました。
まとめますと、以下の点をクリアする必要があります。

債権が存在していること

入金時期が確定している(1~2か月以内)
複数回取引を行っていること
取引先の信用力が高い

キャッシュフローの改善時期が明確であること

資金繰り表を作成し、経営改善時期を証明する

結論から申し上げますと、新設法人でも利用は可能ですが、審査は厳しめとなる、といったところでしょうか。
資金繰り表の作成は、稀に利用者が自転車操業に陥ってしまい、ファクタリング依存とならないための処置のようです。

審査は3社間ファクタリングの方が緩い

上記の条件を満たせない場合でも、債権そのものを譲渡する3社間ファクタリングであれば利用可能な場合があります。
3社間ファクタリングは企業の信用性のみで判断し、利用者の資金繰り状況や設立時期等を考慮しないため、審査が2社間ファクタリングに比べて緩く、通りやすくなっています。

ただし、2社間ファクタリングよりも最終的な手取り額が低くなりやすい、取引先への債権譲渡通知が必要といったデメリットが挙げられます。
資金調達方法の選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。