ファクタリング後の変化について

考える女性経営者

ファクタリングは入金予定の売掛金を早期に現金化する金融取引です。
そのため、ファクタリングを行った「後」についても注意せねばなりません。
注意点としては「入金サイクルや支払サイクルの変化」「売掛金の引渡し」などが挙げられます。
どのように変化するのか・注意すべきなのか、あらかじめ確認しておきましょう。

サイクルの変化が引き起こすリスク

頭を抱える経営者

ファクタリングを行うと、売掛金は新債権者であるファクタリング会社のものとなるため、入金された売掛金を自由に使うことはできません。(2社間ファクタリングであれば売掛金をファクタリング会社へと引き渡す義務が生じ、3社間ファクタリングであればファクタリング会社に直接入金されます。)
ファクタリングによって得た金銭は遅れている支払い・運転資金等に充てる企業が大半かと考えますが、このときに誤って使ってしまう恐れも十分に考えられます。
特に支払うものが多い企業、複数の債権を持っている企業は「どれをいつまでに支払わねばならないのか」「どの債権をファクタリングしたのか」が分からくなってしまう可能性がありますので注意が必要です。

混乱を防ぐために

初歩的な対策ではありますが、まずは支払わなければならないものの期日や期限を全て書き出し、いつまでに支払うのかを決めておきましょう。(※9/25にA社、10/5にB社など)
また、複数の売掛金をファクタリングした場合は、どの債権をファクタリングしたのか、通常通りに支払われる売掛金はどれなのかを必ず分かるようにしておいてください。

さらに、例えば「5月入金分を6月支払いに充てていたが、ファクタリングによって1か月ズレてしまい、6月入金分を6月支払いに充てることになった」等の支払サイクルにも注意が必要です。
優先順位及び入金や支払いのスケジュールを定めておくことが有効かつ重要と言えます。

2社間ファクタリングには引渡し義務がある

印鑑と通帳

ファクタリングは、保有する売上債権(売掛金や未収金など)をファクタリング会社へ売却し、早期の現金化を図る資金調達方法です。
そのうち、2社間ファクタリングは売掛先(取引先など)に対して通知をしませんので、売掛金は従来通り旧債権者(ファクタリングを利用した企業)へと支払われます。
そのため、2社間ファクタリングを利用した場合は、支払われた売掛金をファクタリング会社へと引き渡さねばなりません。
以下の点には特に注意が必要です。

使い込みには要注意

前述した通り、既に債権が譲渡されている場合、入金された売掛金の正当な権利者は新債権者であるファクタリング会社です。
そのため受け取ったお金は速やかにファクタリング会社へと引き渡す必要がありますが、様々な入金がある場合、どの入金が譲渡済なのかが分からなくなってしまう恐れがあります。
また、支払期日が1か月後又は2か月後などの売掛金を譲渡した場合、譲渡したことそのものをうっかり忘れてしまう可能性も否定できません。
さらに、自動引き落としの設定をしていた場合、万が一入金日と引落日が重なってしまうと、入金と同時に口座残高が無くなってしまう事態に陥ります。
ファクタリング会社への引渡しを怠った場合は契約違反となり、詐欺罪で告訴された事例も確認されています。
どの入金を引き渡すのかを把握しておく、自動引き落としの設定を一旦止める等、然るべき措置を執るようにしてください。

分割での引渡しは可能?

ファクタリングは金銭消費貸借契約ではなく売買契約に当たるため、原則として売掛金の引渡しを分割で行うことは出来ません。
ただし、反復継続して売掛金が発生している場合、複数回に分けてファクタリングを実施するということは可能です。
例えば、毎月100万円の入金がある場合、1か月目はそのうちの70万円、2か月目はその内の50万円、3か月目は30万円といったイメージです。

この方法であれば無理なくキャッシュフローの改善が図れますし、ファクタリング手数料の節約にも繋がります。
なお「売掛金を引き渡せなかった→金銭消費貸借契約へ切り替える」というケースもあるようですが、このような形での契約変更は貸金業法に抵触する可能性があります。
万が一このような打診をされた場合は闇金業者の恐れがありますのでご注意ください。

3社間ファクタリングという選択肢

ミーティングをするスタッフ

入金サイクルの乱れや引渡しを怠ってしまう恐れを回避するのであれば「3社間ファクタリング」を選択するという手もあります。
3社間ファクタリングの場合、売却した売掛金は直接ファクタリング会社へと支払われるため、引渡しや回収義務を負いません。

そのため「どの債権を引き渡さねばならないのか」というわずらわしさが無く、引渡し義務違反を負う心配からも解放されます。
さらに、3社間ファクタリングは2社間方式に比べて手数料が低いため、手数料重視で決めたい方にもオススメの取引方法です。
なお、ファクタリング会社にはそれぞれ得意分野があり、2社間ファクタリングなら即日対応可能であったり、3社間ファクタリングの買取条件が優れていたりと、千差万別です。
会社の状況、買取条件などをしっかりと比較した上でファクタリング会社を選ぶようにしてください。

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