ファクタリング取引に於けるトラブル
当ページでは、実際にあったファクタリングでのトラブル事例・取引に於けるリスク等をご紹介していきたいと思います。
トラブル事例1~契約内容の見解に相違
建設業を営むO社は資金調達のため、とあるファクタリング会社と契約を締結し、売掛金の売却金を受領しました。
O社は債権をファクタリング会社に提供したため「債権譲渡」の認識を持っており、取引完了時に全て手続は終了し、その後の支払い等は無いと考えていました。
しかし、契約後40日ほどが経過したところ、ファクタリング会社から売掛金を引き渡すようにとの催告連絡が入ります。
慌てて契約内容を確認したところ、ファクタリング契約は売掛金を引き渡す必要がある「2社間ファクタリング」であり、利用者側が取引先に売掛金を請求・回収しなければなりませんでした。
すぐに請求された金額を支払い、事なきを得ましたが、一つ間違えれば商品や口座が差し押さえられる可能性もありました。
2社間方式と3社間方式でその後の流れが異なりますので、事前にしっかりと契約内容を確認するようにしてください。
トラブル事例2~ファクタリング会社に逮捕歴
甲社は先日、ファクタリング会社Aとファクタリング契約を締結しました。
何気なくA社の経歴を調べてみると、なんと代表者は過去に無許可貸金業(いわゆるヤミ金)での摘発歴・逮捕歴があることが判明。
あわてて契約内容を確認した所、ファクタリング契約ではなく金銭消費貸借契約(貸金契約)となっており、返済が滞った場合は提供した債権がファクタリング会社に移転するというものでした。
甲社はすぐに金銭を返却することでA社との契約を解除し、無事に事なきを得ましたが、万が一気づかなければヤミ金業者の被害に遭っていたかもしれません。
ファクタリングを騙るヤミ金業者の被害が増加しておりますので、ご利用の際はくれぐれもご注意ください。
トラブル事例3~二重譲渡となってしまった
乙社は、ファクタリング会社B及びファクタリング会社Cの2社と交渉していました。
協議の結果、B社の方が好条件と判断し、ファクタリング契約を締結。
乙社は、契約後すぐに債権譲渡の手続を行いました。
しかし、契約締結後にB社との契約を知らないC社から大幅な条件アップでの提示がなされ、少しでも資金が欲しい乙社は、B社との契約を解除しC社と契約しようと考えます。
その結果、C社とも契約を締結し、債権譲渡の手続きを進めてしまいました。
しかしながら、先に債権を譲渡されたB社が正当な権利者となるため、乙社はC社に対して多額の違約金を支払うこととなってしまいました。
これは「二重譲渡」の典型的な例であり、悪質だと判断された場合は横領罪や背任罪又はその共犯等の刑が科される非常に危険な行為ですので絶対に避けましょう。
トラブル事例4~契約書の未発行
丙社は、ファクタリング会社Dとファクタリング契約を締結しましたが、D社は契約書や覚書等を丙社に発行しませんでした。
丙社は「おかしいな」と感じましたが、はじめてのファクタリング契約だったのでそれ以上の詮索をせず、契約も無事完了しました。
契約書は契約内容や条件を記載し、互いの同意があった旨を証明する大切な書類です。
自社保有分と利用企業分の2通を作成し各々1通を所有し合うのが一般的ですが、印紙税を節約するためか、契約書を発行しないファクタリング会社も存在します。
無事契約が完了したとしても、その後トラブルになる可能性は十分考えられますので、どんなに少額取引・状況であっても、必ず控えを請求するようにしてください。
万が一控えの交付を拒まれた場合には、詐欺会社やヤミ金業者といった悪質な業者である可能性がありますので、契約は控えることをお勧めいたします。
はじめてのファクタリングは特に注意
はじめてファクタリングをする場合や早急に契約を進めたい場合などは、契約内容をしっかりと理解できていなかったり、ついつい確認を怠ってしまったりします。
「急がば回れ」「急いては事を仕損じる」ということわざにもある通り、ファクタリング契約に焦りは禁物です。
なるべく多くのファクタリング会社から話を聞き、損をしない・トラブルに巻き込まれない・好条件の獲得を目指してください。