貿易業には数多くのリスク

海外からの荷物を運ぶ大型コンテナ

海外企業を相手にする貿易業は「為替変動による利益減少」「人的リスク」「契約トラブル」など、国内の法人を相手にするよりも遥かに多くのリスクを抱えていると言えます。
また、小物を少量輸入する程度であれば飛行機での輸送が可能ですが、大規模な輸入・貿易業を営む場合はコンテナによるフェリー輸送の方がメインです。

そのため、到着や手配に時間を要する・事故の可能性が上がる・紛失や破損の恐れなど、規模が大きくなればなるほどリスクも増えてゆくという特徴があります。
輸入の際は「売掛金」が発生しないためファクタリングが利用できませんが、輸出の際はファクタリングによるリスクヘッジ・資金調達が可能です。

なお、貿易業におけるファクタリングには、売掛金の売買である「買取ファクタリング」と、輸出した商品の代金を保証する「国際ファクタリング」の2つがあります。
買取ファクタリングにつきましては他のページにて多くご紹介しておりますので、当ページでは主に国際ファクタリングにフォーカスを当て解説してまいります。

国際ファクタリングの仕組み

国際ファクタリングの全体像

国際ファクタリングとは、簡単に言うと予め日本のファクタリング会社との間で保証契約を締結し、設定した信用限度額の範囲内で輸出の商品代金を保証する取引です。
譲渡する債権は「輸出した商品代金の売掛金」ですので、一般的なファクタリング(買取ファクタリング)と全体像は同じですが、売掛先もファクタリング会社を通すという点で大きく異なります。

また、輸出国に於ける輸出貿易保険に予め加入しなければならない・輸出を証明するための書類(輸出船積書類等の写し)が必要など、手続きはより煩雑になっていると言えるでしょう。
さらに、国際ファクタリングは民間のファクタリング会社では原則として取り扱いがないため、ファクタリングを扱っている銀行や金融機関に個別に相談する形となります。

買取ファクタリングとの審査の違い

「債権金額」「期日」が審査のメインとなる点については同様ですが、国際ファクタリングは前もって輸入代金全額を保証するというサービスですので、やはり審査基準は買取ファクタリングに比べると厳しくなります(「赤字決算」「税金滞納中」などの場合は利用できない可能性がありますので注意が必要です)。

また、国際ファクタリングは組織的に実施しているサービスであり、世界各国の銀行やファクタリング会社が参加しておりますが、中には利用できない国も存在します。
つまり「取引先企業がどの国に拠点を置いているか」も重要な審査項目であり、財務状況や取引履歴もよりシビアに審査されると言えます。
さらに、ファクタリング会社だけではなく、輸入企業側からもファクタリング契約の同意を得なければならない点は買取ファクタリングとの大きな違いです。

リスクヘッジに利用できる

債務不履行・輸送トラブルだけではなく、為替や輸送費の変動によってコストが変化するなど、貿易業は「不確定要素」「リスク」が非常に多いビジネスと言えます。
国際ファクタリングはリスクヘッジとしての側面が強いため、利用できれば事業の安定化へと繋がるのは間違いありません。
また、貿易業は文化や習慣の違う相手との取引ですので、信頼関係は特に重要です。
貴社が輸入をメインに取り扱っているのであれば支払いの遅れは絶対に避けましょう。

キャッシュが不足している場合は2社間ファクタリングを活用するという手もありますが、海外企業に対する債権を取り扱っているファクタリング会社は残念ながらまだ少ないです。
銀行系や大手のファクタリング会社であれば利用できる可能性がありますので、まずは無料相談・無料見積り等を是非活用してみてください。

輸入と輸出で利用するサービスが異なる

貿易を営む企業をイメージした人形

海外企業との取引では信頼が特に重要であり、たった一度の遅延によって契約解除となる可能性も十分に考えられます。
また、不文律(判例や習慣)を重んじる志向が強い国も存在しておりますので、たとえ契約書が無かったとしても、約束を遵守するのは貿易業の鉄則です。
そのため「キャッシュが不足して支払いが遅延しそう…」というケースであれば買取ファクタリングを検討してみてください。
滞りなく進めば即日入金も可能ですので、スピーディーな解決が見込めます。

なお、輸出をメインに取り扱っている企業の場合は、自社のキャッシュ不足よりも取引先企業の債務不履行リスクの方が重要です。
したがって、国際ファクタリングによるリスクヘッジを検討する必要があります。
買取ファクタリングに比べて、申込時に求められる書類が多い、手間が増える、取り扱っているファクタリング会社が少ないといったデメリットがありますが、取引額の全てを保証して貰える(ただし、保証設定額の範囲内)という大きなメリットがあります。

貿易業に於いて、資金調達はもちろん、リスクヘッジとしてもファクタリングは大変有効な手段と言えます。
事業の更なる発展・安定化に、ファクタリングを是非活用してみてはいかがでしょうか。

 
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