他の資金調達と
ファクタリングを比較
当ページでは、銀行融資やABL(債権担保融資)、募集株式の発行といった「ファクタリング以外の資金調達」にフォーカスを当て、それぞれの特徴解説やファクタリングとの違い等について解説してまいります。
しっかりと知識を身に付け、状況に応じて使い分けるようにしてください。
融資
融資とは銀行や消費者金融等からお金を借りることで、金融機関のみならず役員から個人的に借入をするという方法もあります。
個人・法人を問わず幅広く対応しており、場合によっては数千万円規模の資金を用立てることも可能な資金調達方法です。
メガバンク(三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行)はもちろん、地元の地方銀行・信用金庫・信用組合なども利用可能ですが、金利や借入期間は各金融機関で異なりますので、企業の状況に合わせてしっかりと選定する必要があります。
なお、融資は法律上「金銭消費貸借契約」にあたり、借主は貸主に対し、毎月決められた額の元金と金利を返済していかねばなりません。
銀行融資(プロパーローン)
融資の中でも銀行(信用金庫・信用組合等含む)や消費者金融からの借入は特に多く、最もメジャーな資金調達方法であると言っても過言ではありません。
元々用意された商品でなく各自で金利や借入金額を決める契約のことを一般的にプロパーローンと呼びます。
銀行融資はコスト面で優れている(金利が低い)上に長期的な借入が可能なため、より安定した経営を目指すことが可能です。
また、法人のみならず個人で事業を営んでいる方(個人事業主・フリーランス)でも利用が可能という点も大きなメリットと言えます。
一方で、銀行融資は審査が非常に厳しいというデメリットがあります。
銀行融資では返済期間が10年以上に及ぶことも珍しくなく、安定かつ優良な経営状況・返済可能な財務状況が必要不可欠であるためです。
審査内容は企業規模・営むビジネスの内容・経営状況によって様々ですが、一般的には3期分以上の法人税又は所得税の確定申告・最終決算期から半年以上経過している場合には残高試算表・返済スケジュール・事業計画書等の提出が求められます。
審査内容
銀行をはじめとした各金融機関は、提出書類をもとに融資の回収が見込めるか・融資によって会社が成長していけるか(今後のビジネスに発展するか)等を主に審査します。
債務不履行のリスクが低いことはもちろんですが、事業計画がしっかりと立てられているか、見通しは十分になされているかなどは、融資の可否を分ける非常に重要な項目です。
また、審査は数字だけではなく、経営者の人格・経営資質等も判断されます。
融資の申し込みの際は、借り入れたお金の使途・会社の経営状況・今後の展望等をきちんと受け答え出来るようにしておきましょう。
一方、ファクタリングは「債権の信頼性」が最も重要な審査項目であり、売掛先が今までに履行を遅滞していないか・履行不能になる恐れが無いか等が細かく審査され、利用企業側の経営状況・財務状況はさほど重視されません。
銀行融資の審査に落ちてしまった場合、ファクタリングによる資金繰りも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
銀行融資のリスク
銀行融資は借入(負債の増加)・ファクタリングは債権の売却(資産の減少)であるため、両者の審査項目・メリット又はデメリットは大きく異なります。
ファクタリングは財務状況の影響が比較的少なく、審査に要する時間も銀行融資に比べて短いというメリットがある反面で、コスト面にやや難があります。
また、銀行融資はまとまった金額を調達することが可能ですが、審査が非常に厳しく赤字や税金滞納があるとまず利用することができません。(融資の条件として「不動産や車両・事業用機器・保証人などの担保提供」を提示される場合があります)。
さらに審査に1か月以上を要することも珍しくはなく、スピード面ではファクタリングの方が優れていると言えるでしょう。
また、債務不履行があった場合、銀行は貸したお金の全額返済を求めることが可能です。
これが所謂「貸しはがし」と呼ばれるもので、状況によっては返済が滞った企業に対しても行われたり、期限前に返済を迫ったりすることもあります。
ただでさえキャッシュが不足している状態でこのような措置を執られてしまうと、中小企業はひとたまりもありません。
このように、裏切られた際のダメージが致命傷になりかねないため、銀行融資だけに頼らず、様々な資金調達手段を用意しておく必要があります。
ビジネスローン
ビジネスローンとは銀行法又は貸金業法に則って提供される事業者向けかつ商品化(金利や貸付条件があらかじめ決まっているもの)された貸付サービスのことです。
銀行融資と並ぶ事業者から人気の資金調達法で、昨今はWeb完結契約やカードローンタイプなど利便性の高いサービスも登場しています。
ビジネスローンには「無担保でも利用可能(商品によって異なる)」「銀行融資よりも審査が緩め」「実行までが早い」などの特徴があり、中でも銀行融資よりも手軽に利用できるという点は大きなメリットと言えます。
一方で、ローン系の金融商品の中では金利が高め(利息制限法の上限は20%)であり、コストパフォーマンスは悪いと言わざるをえません。
したがって、ファクタリングと同様に短期的な資金調達に向いています。
ビジネスローンの審査
ファクタリングは「売掛先(取引先)」の信用情報や財務状況が厳しく審査されますが、ビジネスローンは「事業者側」の信用情報や将来性等が厳しく審査されます。
プロパーローンと同様に、銀行や消費者金融は少しでも債務不履行リスクがある企業に対しては融資を実行しませんので、ビジネスローンでは過去の実績(業績・売上・利益など)や資本金・事業規模がチェックされ、直近2~3期分の財務諸表・事業計画書・返済計画書等を提出し、将来の収益性・返済能力を証明する必要があります。
ただし、銀行融資に比べると審査は比較的緩やかであり、例えばビジネスローンも事業計画書・返済計画書の提出を求められるケースがありますが、商品によっては決算資料のみでOKというケースも珍しくはありません。
もちろん、如何に審査が比較的緩いとはいえ、赤字決算や創業初年度(決算期未到来)の場合は審査に通らないケースも考えられます。
さらに「利息の幅が広い」というのもビジネスローンの特徴の一つです。
銀行融資と同等の金利になることもあれば、消費者金融と同等の利息制限法上限付近の金利が適用されるなど、商品や借入先機関によってバラバラです(一部の消費者金融では3~15%など店頭表示の金利幅が大きい)。
一般的には、メガバンクやネット銀行等は低金利である一方で厳しい審査を経なければならず、消費者金融や信販会社からの借入は金利が高い代わりに審査が比較的緩やかとなっています。
たとえ財務状況が良くても、実績がない(新規申し込み)場合は高めの金利条件となる可能性があるため、十分にご注意ください。
ABL(債権担保融資)
ABLとは「Asset Based Lending(アセット・ベースト・レンディング)」の略称で、銀行や信用金庫等の金融機関に売上債権(Asset)を担保として提供(Based)し、融資を受ける(Lending)という資金調達方法です。
債権だけではなく保有する商品やその在庫・動産・農畜産物等も担保として利用することができ、経済産業省や東京都の公式HPでも紹介されるなど、中小企業の新たなる資金調達方法として年々人気・期待が高まっています。
メリットとしては、ABLには固定資産(不動産や車両等)が無くても融資が受けられる可能性がある・長期的かつ安定的な経営が見込める等が挙げられます。
さらに、冒頭でもお伝えしたとおり、担保は債権に限られず、商品の在庫や備品・設備なども提供することが可能です。
一方で、商品や在庫の価値は千差万別であり過剰担保となる可能性があること・万が一返済が遅れると、提供した担保の処分ができなくなってしまう等の可能性もあり、最悪の場合倒産の引き金になってしまう恐れもあります。
なお、担保提供した商品の状況・在庫管理や債権の現状を、借入した金融機関に定期的に報告しなければならないため、維持管理が大変という点も同取引のデメリットです。
ファクタリングとの違い
債権担保融資(ABL)は債権や動産を担保にしてお金を借りるため「金銭消費貸借契約」に当たり、ファクタリングは債権を譲渡して金銭を得る「売買契約」です。
つまり、ABLは毎月決められた額を返済してゆく長期的取引であり、ファクタリングは原則1回限りの短期的取引となります。
また、ファクタリングは目的物が債権に限定されますが、ABLは車両・商品・農畜産物など幅広い動産が対象という点でも大きく異なります。
審査内容・項目にも以下の通り違いが見られます。
ファクタリングは売上債権(資産)の売買ですので、まずは当該債権が本当に存在しているのか、どの程度の価値があるのかを把握せねばなりません。
加えて、当該債権がきちんと履行されるのかも大きな判断ポイントです。
具体的には、売掛先の財務状況は安定しているか・これまでに履行遅滞は無かった等が重点的に審査され、逆に利用企業側の信用状況はさほど重要視されません。
一方で、ABLの場合は債権の担保価値に加えて、利用企業が「長期的に返済をしていけるのかどうか」までを深く審査されます。
つまり「債権または動産の担保価値」「利用企業や取引先の信用情報・財務状況」など、ファクタリング時の審査よりも広く・深く調査されます。
したがって、審査面に関してはABLの方が厳しいと言えるでしょう。
契約先には要注意
債権担保融資を取り扱っている金融機関はまだ少なく、取り扱っていたとしても利用金額が数百万円ないしは数千万円~といったものがほとんどであり、利用のハードルが非常に高くなっています。
そのため、中には「10万円から利用可能」「保証人不要」「初月は金利0」などの甘い謳い文句で誘引し、過度に担保を取る・後から莫大な金利を請求する等の手口で不当に利益をせしめる悪徳業者も報告されています。
主要な動産・債権を取られてしまうと事業の継続が困難となり、最終的に会社が乗っ取られてしまう恐れも否定できません。
ご利用の際は、必ず大手金融機関や行政・公益団体等が提供するABLサービスを選ぶようにしてください。
役員からの借入
役員借入とは、文字通り取締役や執行役員等が会社に対してお金を貸すことです。
会社がキャッシュ不足に陥った際に役員が資金を補充したり建て替えを行ったりした際に利用されるケースが一般的ですが、資金調達(短期借入金)として利用されることもあります。
資金調達方法としては融資が最もメジャーと言えますが、利用時には信用情報や財務状況をチェックされ、赤字や税金滞納状態の場合は原則NG。
しかしながら、会社の役員は言うなれば「身内(役員が株主であるケースも多い)」であり、会社の財務状況を気にする必要はありません。
また、法律の範囲内であれば、当事者間の合意によって借入期間・金利を自由に設定することが可能であり、柔軟性に優れていると言えます。
役員借入金の注意点
「役員と会社の契約」になりますので、当然ですが役員側の承諾が必要です。
いずれは返済せねばならないお金ではあるものの、財務状況に応じて「いつから返済をはじめるか・どのように返済するか」等を決めることができるのは役員借入の大きなメリットと言えます。
しかしながら、役員は経営に深く参画できるため、お金を貸しているという立場を利用し、自分本位に経営を動かされてしまう恐れも否定できませんので、株主は動きをしっかりとチェックしておく必要があるでしょう。
また、条件を自由に設定できると言っても、無金利や無期限といったようにあまりにも会社側に有利な契約だと「贈与」の扱いになる可能性があります(本来であれば払わねばならないお金の分得をしたと判断され、税務上の「利益」となる)。
顧問税理士や弁護士の意見を取り入れつつ、最低限の金利を支払う、しっかりと契約書を作る等で対応しましょう。
なお、出資金や利益剰余金など返済不要のお金を「自己資本」、借入金や支払手形など後日返済が必要なお金を「他人資本」と呼びます。
当然ですが、返済不要である自己資本が多ければ多いほど経営が安定していることになり、逆に他人資本が多ければ多いほど経営は不安定ということになります。
役員借入金は「他人資本」に分類されますので、相対的に自己資本比率が下がり、場合によっては会社の信用下落を招きかねません。
銀行融資の審査を控えている、いずれは上場したい等の事情があれば、当該比率については十分に気をつける必要があります。
デッドエクイティスワップとは
借入金は、金銭での返済はもちろん、株式によって返済することも可能です。
これは、デットエクイティスワップ(Debt Equity Swap)又は借入金の資本組入と呼ばれる手法で、お金を貸した人は株式を引き受け、お金を借りた側(会社)は株式を発行することで借入金を相殺します。
会社は借りたお金の返済義務がなくなりますが、株式の発行によって既存株主の持ち分割合が減ってしまいますので、株主総会による事前決議が必要です。
また、当然ですが貸主である役員側が株式の引受けに応じなければなりません。
不動産担保ローン
不動産担保ローンとは、文字通り「建物や土地などの不動産を債権者(お金を貸す人)に担保として提供した上でお金を借りる」という資金調達です。
担保とは、万が一返済が滞ってしまった際に、代わりに保証人に支払ってもらう(人的担保)、代わりに物で払う(物的担保)という制度のことです。
不動産担保ローンは後者の物的担保に当たり、債権者は債務不履行があっても不動産を売却する等で回収を図れるため、通常の金銭消費貸借契約に比べて低リスクでお金を貸すことができるようになります。
一方で、債務者側は不動産を失うというリスクを負っていることになりますので、不動産担保ローンは正にハイリスクハイリターンな資金調達方法と言えます。
好条件が期待できる
日本の不動産は価格が安定しており、公示価格や路線価、固定資産税評価など客観的な指標も数多く存在しているため、不動産は担保としてまさにうってつけです。
金利や貸付額は不動産の価値によって変動しますが、おおむね3%程度となっており、カードローン(最大20%)に比べて好条件と言えます。
不動産担保ローンは預かった不動産を売却すれば債権を回収できますので、低金利でも損をする可能性が低いためです。
また、不動産担保ローンの借り入れ可能額は「路線価の70%」程度となるのが一般的です。
路線価とは、相続税算定の際に用いられる算定方法で、文字通り前面道路に付いた価格に土地面積をかけた金額のことです。※詳しい計算方法はこちら
なお、固定資産税を算定する際に用いられる金額として「固定資産税評価額」と呼ばれる評価方法もあり、こちらを利用して計算する方法もあります。
例えば、販売価格が1000万円の不動産があった場合、固定資産税評価額は800万円程度・路線価は700万円程度となります。
不動産がある市区町村役場から毎年届く納付書に固定資産税評価額が記載されておりますので、こちらの金額を以下の計算式に当て嵌めれば大まかな路線価を出すことが可能です。
「(固定資産税評価額÷80%)×70%=路線価」が計算式となり、例えば固定資産税評価額が500万円であった場合は「(500万円÷80%)×70%=437万5000円」、借入可能限度額は「437万5000円×70%=306万2500円」となります。
ファクタリングとの違い
不動産担保ローンとファクタリングはコストの算出方法に違いが見られます。
ファクタリングは資産売却(未収資産の早期回収)に当たりますので、金利ではなく債権額の1~15%ほどの「ファクタリング手数料」を支払う形です。
なお、不動産担保ローンでは「抵当権設定登記」を実施するのが一般的ですので、金利に加えてこちらの費用を負担する必要があります(司法書士報酬+登録免許税)。
また、不動産担保ローンとファクタリングにはリスク面でも違いが見られます。
多額の資金を調達できる不動産担保ローンではありますが「担保として預けた不動産を失う恐れがある」という大きなリスクを背負っている点は忘れてはなりません。
事業所や担保提供者の自宅など、ビジネスはもちろん生活基盤までもが脅かされる恐れがありますので、必ず期日通りに返済するようにしてください。
一方で、ファクタリングは売掛債権そのものを取引(売却)する資金調達方法ですので、そもそも担保を提供する必要がなく、何かを失うといったリスクはありません。
生命保険貸付
生命保険に加入中であれば「契約者貸付制度」や「生命保険買取」を利用することによってキャッシュフローを改善できるかもしれません。
契約者貸付制度とは、解約返戻金を担保に低金利で借入できる制度です。
満期返戻金がある生命保険の多くは契約者貸付制度を用意しており、審査が不要・ブラックや赤字決算の事業経営者でも利用可能などの利点があります。
また、元本分については利用者側の裁量で返済額を決めることができ、保険料の支払いが滞らない限りは通常利息を払うだけでも問題ありません。
一方で、生命保険買取制度は原則として余命宣告を受けた場合に利用できる資金調達法です。(一部の買取業者では「65歳以上」など、年齢を限定しているケースもあります)。
掛け捨て型の保険でも利用できるという利点があり、治療費をはじめ生存中に発生する費用を生命保険料から前借りするような恰好です。
契約を残しつつ買取業者に保険契約を譲渡する仕組みで、例えば「死亡保険金1,000万円・月々の保険料1万円の契約・余命1年の宣告を受けている」といったケースの場合、600~900万円程度で取引されています。
月々の保険料は買取業者側が負担し、死亡時には1,000万円の保険金を買取業者が受け取り、その差額で利益を出すという流れです。
貸付の対象となる保険
貸付対象となるのは貯蓄性がある保険(保険金の支払い条件を満たさない場合でも解約すれば返戻金を受け取れる契約内容の保険)で、例えば終身生命保険や外貨建て保険・養老保険・学資保険・変額保険などが挙げられます。
契約者貸付制度は「低解約返戻金型終身保険(満期前解約だと受け取れる返戻金が減額される代わりに満期を過ぎると返戻率が増える保険)」が最も多く活用されています。
保障内容によっても異なりますが、死亡保障に特化した契約内容の場合、払込保険料の70%程度が解約時に返還されます。
契約者貸付制度の貸付限度額は中途解約返戻金に対して70~90%ほどで、金利は2~8%が相場です。
なお、生命保険の契約者貸付制度は保険業法に則ったサービスであり、保険会社は契約者貸付制度に限り貸金業登録を受けなくても貸付ができます。
そのため、借入時に信用情報を記載・照会されることはなく、万が一返済や保険料の支払いが滞った場合であっても信用情報機関に情報を登録されることはありません(ただし、担保である保険契約が解約・失効されるペナルティを負います)。
延いては、ファクタリングと同様にブラックや債務超過状態でも資金調達が可能である上、信用情報に傷をつける恐れもありません。
月々の返済も不要
また、契約者貸付制度は原則として月々に決まった金額を返済する必要もありません。
返済をしないと利息が膨らんでいきますが、月々の保険料支払いさえ継続できれば借入限度額も増えてゆくため、生命保険を解約するまで一切返済しないことも理論上は可能です(生命保険料の支払いを一時中断している又は一時払いで加入している場合は、借入限度額が増えず利息のみが増えてしまいますのでご注意ください)。
万が一借入金の弁済や保険料の支払いが滞ってしまうと生命保険の強制解約もしくは失効のペナルティを受けてしまいますが、原則として遅延損害金等は発生しません。
一般的な契約者貸付は申し込みから2営業日程度で入金されます(銀行振込)。
さらに、昨今では事前に専用カードを発行しATMからの借入・返済ができるサービスも登場しており、わざわざ銀行や消費者金融を利用しなくてもちょっとした現金であれば用立てることが可能です。
借入を予定していなくとも、予め専用カードを作っておけば緊急時に活躍してくれるかもしれません。
制度融資
制度融資とは、市区町村や都道府県といった所謂「地方公共団体」が、金融機関や保証団体・組合と連携しておこなう融資のことです。
地方公共団体はビジネスによって地域の活性化を図れ、金融機関や保証団体・組合は金利又は保証料を得られる、利用者側は低金利でまとまった資金調達ができるなど、それぞれにメリットのある金融取引と言えます。
制度融資のメリットはなんと言っても「まとまった資金」を「低金利」かつ「長期間」借り入れできるという点でしょう。
東京都の中小企業制度融資(令和5年版)を例にしますと、資金使途が運転資金・設備資金の場合は融資限度額が2億8000万円、融資期間は最大で15年(据置期間2年含む)、利率は固定で最大年率2.2%となっています。
さらに、信用保証料は責任共有制度の対象となる場合は1000万円までであれば年率0.33~1.33%、1000万円を超える場合かつ無担保でも0.45~1.49%とこちらも非常に低い数値です。
対象となる事業者は制度融資の実施先によっても異なりますが、東京都中小企業制度融資の場合は文字通り「中小企業」が対象で、具体的には「中小企業信用保険法第2条1項に該当するもの」を指しています。
中小企業信用保険法第二条一項
一 資本金の額又は出資の総額が三億円(小売業又はサービス業を主たる事業とする事業者については五千万円、卸売業を主たる事業とする事業者については一億円)以下の会社並びに常時使用する従業員の数が三百人(小売業を主たる事業とする事業者については五十人、卸売業又はサービス業を主たる事業とする事業者については百人)以下の会社及び個人であつて、政令で定める業種に属する事業(以下「特定事業」という。)を行うもの(次号の政令で定める業種に属する事業を主たる事業とするものを除く。)
引用元:e-GOV法令検索
また、東京都中小企業制度融資は「東京都内に事業所がある事業者」のみが対象となり、農林業・漁業・宗教法人等は募集の対象外です。
申請窓口と必要書類
東京都産業労働局金融部金融課の他、指定金融機関や保証協会、東京都中小企業団体中央会、商工会議所及び商工会、東京都商工会連合会、公益財団法人東京都中小企業振興公社、東京都各支庁などが申請窓口です。
以下の書類を添付(部数はパンフレット参照)した上で、希望する融資内容にお申し込みください。
| 法人の場合 | 個人の場合 |
|---|---|
|
|
(※1)申込人及び連帯保証人のもの
(※2)設備投資の場合のみ
(※3)申込人のもの
東京都産業労働局・公式サイトの「要項・パンフレット」をクリックしていただくと、制度融資のより詳しい内容や融資条件が確認できますので、さらに詳しく知りたい方は以下のページもぜひチェックしてみてください。
また、制度融資は主に「都道府県」が主体となって実施しているため、自社の事業所がある場所の行政機関(役所・役場)に確認してみると良いでしょう。
県が実施する制度融資は一般的に「県制度融資」と呼ばれているため、事業を行っているエリア+制度融資(〇〇県制度融資)でインターネット検索をすれば、融資内容や条件が記載されたページがヒットします。
公共団体によって対象となる事業者や事業内容が異なりますので、まずは自社のビジネスにマッチするかどうかを確認してみてください。
募集株式の発行
「募集株式の発行」とは、文字通り株式を発行して出資を募る資金調達の一種です。
株式とは、簡単に言うと株式会社の持主(株主)になれる権利のことで、株主になると会社が得た利益の一部をもらえたり、役員の選任や解任・重要な意思決定に関われるようになったりします。
株式に似た制度としては合同会社の「持分」がありますが、持分は予め上限が決められているため、新たに参加者(社員)を募るということはできません(社員になるには、現在持分を保有している人から譲り受けるしかない)。
つまり、募集株式の発行は株式会社のみに認められる資金調達手段ということになります。
株主ができること
株式は言わば会社の所有権です。
募集株式に申し込む人(新たに株主になる人)を引受人といい、募集要項に則って金銭や物を出資することで株主となる権利を得ます。
株主になると「配当金を受け取れる」「倒産や解散時に資産から分配が受けられる」などのメリットがあり、さらに株主総会の議決に参加できるようになるため、間接的に経営に参加できるようにもなります。
なお、株主総会は会社の意思決定の於ける最高機関であり、原則としてどのような事柄でも決議することが可能です。
例えば、役員を選任又は解任したり、今後の経営を左右する重要な意思決定であったり、会社を解散したりと、ありとあらゆる事項を決めることができます。
しかしながら、当然ですが1万円を出資した人と100万円を出資した人の決議権や配当金が同じでは、高額な出資を行ってくれる人がいなくなってしまいます。
そのため、株式会社は「株式数に応じて決議権や配当金が変わる」というシステムを採用しており、1株よりも2株・3株…といったように、持っている株式が多ければ多いほど、議決権や配当金は多くなります。
ただし、新たに株式を発行すると既存株主の議決権が薄れてしまうため、上場会社を除き募集株式の発行は原則として既存株主の2/3以上の賛成(特別決議)を得なければならず、低リスクで資金調達ができる半面で多くの手続きを踏まなければならないと言えます。
資本に組み入れるため返済不要
株式の発行で得たお金は資本に組み入れられるため、原則として株主は出資したお金や物の返還を求めることはできず、延いては会社側に返済の義務が生じません。(例外として一部の条件を満たせば会社に株式を買い戻すよう請求することができます)
そして出資金は株主総会や取締役の判断によって自由に使用することができ、仮に利益が出なかったとしても会社側は責任を負いませんので、出資者はどの会社に出資するのかをしっかりと精査する必要があります。
なお、仮に出資したお金を回収したい場合は第三者に譲渡する方法が一般的であり、株式市場と呼ばれる取引所では、日々株式の売買が行われています。
似て非なる資金調達方法として「社債の発行」という手段が挙げられますが、こちらは会社が債券を発行し、資金を集める方法です。
債券を発行した会社は、債券を購入してくれた人に対し、定期的に利息を支払った上で満期時に額面分を返済しなくてはなりません。
つまり、株式発行は出資金(純資産)が増え、社債は借入金(負債)が増える資金調達ということになります。
ファクタリングとの大きな違い
募集株式の発行と同様にファクタリングにも返済義務はありませんが、未回収の売掛債権をファクタリング会社に売却し、その売買代金を運転資金に充てる資金調達方法ですので、調達スピードについては大きな差が見られます。
ファクタリングは早ければ即日中に取引が完了しますが、募集株式の発行は「(1)株式総会決議」「(2)引受人の募集」「(3)払い込み」という手順が必要である上、募集期間が1か月以上に及ぶことも珍しくありません。
さらに、発行済株式総数や資本金は「登記事項」になりますので、変更が生じた場合には別途登記手続が必要ですので、株式発行は手続きが煩雑なうえ、ファクタリングに比べて時間もかかると言えます。
一方で、募集株式の発行には返済が不要という魅力があります。
ファクタリングはあくまでも売掛金の売買ですので、自社の保有する資産を先んじて現金に換えているにすぎませんが、株式発行によって得たお金は出資金として自由に利用することができ、延いては返済の必要もありません。
さらに、場合によっては数千万円規模の資金を得ることも可能であるため、まとまった資金を用立てたいシーンにも適しています。
シーンやフェーズに応じてファクタリングと上手く分ける形がベストです。
助成金・補助金の活用
助成金・補助金とは、国や都道府県、各地方公共団体、公益団体等から提供される金銭のことで、様々な活動を支援するために活用されています。
事業目的で利用できる補助金・助成金の制度は1,000を軽く超える件数が存在しているとされており、適用される条件を満たしていれば利用しない手はありません。
経済産業省主体の補助金制度は、原則として「経済・地域活性」を目的としたお金であり、少額なものでは数万円から始まり、大規模なものだと数十億円にも及びます。
補助金は支援希望者を集った上で応募者に対して補助金の可否を決定する方式(これを「公募」と呼びます)を採っており、全ての募集が毎年行われるとは限りません。
したがって、必ずしも毎年自社にマッチする補助金に出会える訳ではなく、都度的確に応募する必要があります。
助成金は雇用促進目的が多い
助成金は、原則として「雇用」に関する問題に対して支払われるお金であり、厚生労働省が主体となって展開しています。
こちらも返済不要の支援金であり、経営難脱出の切り札となり得る大変有用な制度です。
さらに、金銭的な負担が軽減するだけでなく法令違反のないクリーンな会社という企業イメージを周囲にアピールすることができます。
なぜならば、助成金は全ての労働者を対象とした「雇用保険」を財源としているので、条件の中に労働関係に対する法令違反の有無が問われるためです。
厚生労働省の助成金は「雇用維持関係の助成金」や、キャリアアップ助成金に代表される「雇用環境の整備関係等の助成金」など多岐に渡りますが、いずれにしても助成金を活用する場合は社会保険労務士(社労士)に依頼するのが一般的です。
申請から実際にお金を受け取るまでに用意する書類や必要な手続が多岐に渡り、これから事業を始めようという起業家にとって大きな負担となってしまいます。
起業時の負担軽減が実現できる・要件を満たす可能性のある新しい助成金を提案してもらえる・事業計画書や状況説明書等も求められる場合がある等の理由から、難しいと感じたら無理せずプロに相談することをおすすめします。
会計資料の提出を求められる場合がありますので、もし顧問税理士がいる場合は事前に相談しておくと手続きがスムーズです。
ファクタリングとの違い
補助金や助成金において注意しなければいけないのは、やはり「交付までに時間が掛かる」「厳しく審査される」という点でしょう。
多くの書類が必要となる上、場合によっては振り込まれるまでに1年以上要することも珍しくはありません。
一方で、ファクタリングは手元にある売掛金の債権を売却し、現金を得るという資金調達方法になりますので、書類さえ整っていれば最短即日中に現金を手にすることが可能です。
ただし、繰り返しお伝えしてきた通り助成金・補助金は原則として返済が不要という点はファクタリングとの大きな違いと言えます。
使える助成金や補助金があれば積極的に活用しつつ、交付までのつなぎ資金としてファクタリングを利用するといった使い方がおすすめです。